金正日にまつわる歴史的建造物

八十二年二月、金正日四十才の誕生日を記念して、彼に英雄称号を授けた共和国中央人員委員会の政令によると「金正日同志は抗日の血のにじむ闘争の日々。白頭の密営で誕生し、革命の厳しい試練を体験しながら成長された」とされている。
この政令が出されてから金正日の生誕にまつわる歴史的建造物がつくられるようになった。まず八十七年十一月、金正日の生まれたとされる密営が白頭山の麓の両江道(ヤンガンド)三池淵(サムジヨン)郡に作られ、開営した。翌八十八年八月には、その密営のすぐ背後にそびえる長寿峰(ジャンスボン)が「正日峰」と命名され、その頂上には「正日峰」と一文字ずつ刻み込まれた重さ六十トンの花崗岩が三つ飾られている。
続いて、密営のすぐ近くに、かつて金日成が「反日人民遊撃隊を組織し、祖国光復の歴史的偉業の土台を準備された」とされる「間白山(カンベックサン)根拠地」なるものが九十年八月に作られた。ここには、かつて祖国解放作戦の最終攻撃作戦計画が出されたとされる、司令部や隊員宿舎なども再現されている。
この「間白山根拠地」なるものは、それまで北朝鮮の歴史に出てきた子もないもので、なんの前触れもなく、突然に作られ、大々的に宣伝されるようになった。(『裏切られた楽土』)