青年同盟

北朝鮮の子供たちは人民学校(小学校)のときは少年団に所属したが、高等中学校(中学・高校)に入ると新しい組織に所属する。この組織は頻繁に名称変更されており、現在は金日成・金正日主義青年同盟となっている。どの名称にも一貫しているのは「青年同盟」という部分である。下記の引用で出てくる「社労青」とはこの組織の略称である。

社会主義青年同盟への加入は北朝鮮人にとっては一種の通過儀礼だが、何歳では入れるか(十三、十四、十五歳)はその子の品行と成績によって左右された。(バーバラ・デミック『密閉国家に生きる』)

「社労青」に入る前に審査がある。

クラスと学校の社労青委員会と、区域社労青委員会の審査がある。このとき社労青規約とその他政治学習課題を与える。それぞれの生徒と個別的に“談話”しながら、規約について聞いたり金日成の革命歴史の主要念代表について質問し、形式的な問いを投げかける。「なぜ社労青に加盟しようと思うのか?」「社労青に加盟したらどうしたいのか?」「社労青に加盟するにあたりどんな覚悟をしているのか?」
これを通過すると本人の写真がついている盟員証をあたえられる。
盟員証をあたえられて七年間結んでいた少年団の赤いネクタイをほどき、左胸に社労青のバッジをつける。(金賢姫『いま、女として』)

以下は「社労青」の活動の一例である。

一九八九年、朝鮮社会主義労働青年同盟(社労青)委員会によって、「首領保衛」における金正日の範にならう(『労働青年』紙によれば「偉大なる首領様に対する親愛なる指導者の無限の忠誠を学ぶ」)運動の年次段階計画と年次目標が定められ、この運動の一環として若者が金正日の高貴な姿を深く学び取り、金正日への「忠誠心」を養い、その「偉大さ」を確信し、その学習や労働の方法を会得するのを助けるための集会やゼミナール、質疑応答コンクールなどが実施された。
こういった運動のひとつに、金正日の誕生日に合わせて行われる「正日峯(ジョンイルボン)」への「朗読行進」がある。この行進のあいだ、青年たちは「政治的、文化的、技術的作品を年間一万六千ページ読破する」課題を達成するために、首領と「親愛なる指導者」の「古典的労作を掘り下げて研究して要約する」ことになっている。
公式の説によれば、年間一万ページ読書キャンペーンの提唱者は、金正日自身ということになっている。一九六一年、当時大学一年生だった金正日は、同学年の学生が年内に金日成の著作集三巻を読破して要点をまとめる課題を設定したという。
現在、公式の出版物にも書かれているが、当時一介の学生に過ぎなかった「親愛なる指導者」は臆面もなく、「授業が終わると大学の職員を呼び出し、年間一万ページ読破運動の松明を高く掲げる指示を与え」、「偉大なる首領様の労作を一文章、一言一句ごと、綿密に研究する必要があると強調した」
(アレクサンドル・ジェービン『私が見た金王朝』)