移住手続き

北朝鮮には引っ越しの自由はない。住居を変えるときは政府の許可を得なければならない。

北朝鮮では、住む場所を自由に選ぶことはできない。割り当てられた地域から引っ越すには、政府の許可が必要で、
職場の移動か結婚か離婚以外の理由ではめったに許可が下りない。
子供なら許可なく住む場所を変えてもあまり問題にはされないが、大人の場合には大問題になった(パク・ヨンミ『生きるための選択』)

移住の際、具体的にはどのような手続きが必要なのか。

行政区域をまたいだ移住にも一定の手続きが必要となる。住民は引っ越しの際に人民保安署から移住証明書の発行を受けると同時に1.組織移動証、2.軍事移動証、3.食料配給停止証明書が必要であるとされる。組織移動証とは、北朝鮮国内に居住するすべての公民は、職業同盟や農業勤労者同盟、青年同盟、少年団などの社会的組織に属さなければならず、当該の機関から発給を受けるものである。たとえば、学生であるのなら社会労働青年同盟もしくは朝鮮少年団から許可を得なければならない。
さらに当該の人民委員会の軍事動員部から、軍事移動証の発給を受けることも義務付けられている。これは、おそらく有事の際の兵力動員のためである。
食料配給所からは、いつまで配給を受けたのかを証明する食料配給証明書の発給を受けなければならない。(石坂浩一『北朝鮮を知るための51章』)
住民に住宅を割り当てることを「配定」と呼ぶ。配定は住民が結婚したり、居住地を移転するときに受ける。該当居住地域にある人民委員会の都市経営課から居住確認を受けたうえで、住宅申請を行うと、申請順位によってすみやかに住民に住居が提供されることになっている。(尹大日『「北」の公安警察』)