衛生事業

北朝鮮では三月末になると、「衛生事業」としてシラミ取りや肖像画の検査が行われる。

三月末から全国的に“衛生事業”が始まる。衛生検査は身の回りの整理整頓や下着、さらに頭髪のシラミの卵を検査する。衛生検査のある何日か前から、生徒たちはお互いに頭髪の検査をし合い、シラミや卵を獲ってやり、酢で洗い、梳き櫛で落とすのだが、検査の時にはシラミの卵が必ずいくつか見つかる。
下着からもシラミが何匹か必ず出てくるのである。
次は肖像画の管理状態の検査である。ほこりがついていたり、少しでも皴や折り目があったら大事件になる。呼びつけられ、思想批判を受け、罰を受けることになる。
人民班は家々をたずねて衛生検査をし、検査後、門の上に「合格」「不合格」の紙を貼りつけていく。(金賢姫『いま、女として』)