朝鮮労働党のヒエラルキー

北朝鮮の支配政党である朝鮮労働党について説明する。
北朝鮮の憲法(朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法)の第十一条には「朝鮮民主主義人民共和国は、朝鮮労働党の指導の下にすべての活動を行う」とある。
これについては下の一文がすべてを要約していると言えよう。

「すべての権力は党から生まれる」という言葉があるように、北では党が、政務院・軍・言論・社会団体の一切を掌握している。(康明道『北朝鮮の最高機密』尹学準訳)

政務院とは内閣のことである。政府だけでなく企業にも朝鮮労働党の支配が及んでいる。

北朝鮮の企業所(会社)は事業を運営する「経営組織」とそれを監督する「党組織」の二重構造になっている。経営組織のトップは支配人、党組織のトップは党秘書だが、実質的なトップは党秘書。(金起成『ボクが捨てた「北朝鮮」生活入門』鄭銀淑訳)

朝鮮労働党には中央から末端までのヒエラルキーがある。

朝鮮労働党の末端組織は党細胞。細胞秘書をリーダーに五~二十人で構成され、細胞党員が集まって初級党委員会を形成する。初級党と党細胞の間には部門党があり、党員数が三十人を超えると、初級党を構成することができる。この初級党のリーダーが初級党秘書で、百人程度の党員をまとめている。初級党が集まって市や郡の党委員会になり、大型の企業所は工場党委員会と位置付けられる。そして、市や郡の党委員会と工場党委員会が集まって道党を形成し、頂点である中央党の党中央委員会が各道党を統括する。党員は党組織に従い、下級党組織は上級党組織に従い、すべての党組織は党中央委員会に絶対服従する。(同書)

地方自治体の行政も党が担っており、各自治体の長は党の幹部である。

隠城の最高責任者は市の党書記だ。その次が市行政委員会の長、その下にプロパガンダの担当者、配給担当の幹部がつく。(カン・ヒョク『北朝鮮の子供たち』檜垣嗣子訳)