入党の条件

入党するには厳しい条件がある。年齢は二十代のうちに申請しなければならないらしい。

ヨンスは同僚と喧嘩をして軍楽隊から追放され、茂山にある鉄鉱石の鉱山へ送られた。もはや労働党へはいる可能性は消えた。入党するには二十代のうちに党員になるための申請書を出し、党書記の審理を受けなければならない。党員資格がなければヨンスの出世は先が見えたも同然だった。(バーバラ・デミック『密閉国家に生きる』園部哲)

入党するには様々なルートがあるようだが、「突撃隊」と呼ばれる組織に属し、労働に従事すると入党が保証されるそうだ。

入党条件を満たすため、私は「速度戦青年突撃隊」への入隊を志願した。これは金正日が直々に作った組織である。「政治や経済の面で人民を指導し、人民と国家のために献身できる幹部を養成する」これが設立の目的だった。隊員は主に社労青の模範的な同盟員から募集される。だから、速度戦青年突撃隊の隊員はなかなかのエリートである。給料も良い。
無事に勤め上げて除隊になれば、労働党への入党も保証される。大学進学を希望する場合も、人民軍の出身者は一般大学にしか行けないが、突撃隊の出身者なら金日成総合大学や、軍の高級将校を養成する金星政治軍事大学(現・金正日政治軍事大学)に入学できるのだ。入隊の競争率は高いが、父は革命烈士だし、鉄道専門大学の出身である。社労青の教養指導員をしていた経歴もある。(白栄吉『北朝鮮不良日記』李英和訳)

一年間突撃隊で労働すると党員になるために推薦をもらえる。

オーストリアでの研修から帰って大聖銀行に勤務し、数か月しかたたない夫は、社会から能力を認めてもらうためにまず党員になることを決め、昼は銀行に勤務し、夜間には当時平壌に建設中の光復(クアンポク)通りの建設現場で“突撃隊員”として肉体労働をした。
そのように一年間突撃隊員として労働すれば、上役の推薦をもらって労働党員になれるからだった。(申英姫『私は金正日の「踊り子」だった』金燦訳)

突撃隊のほかにも、兵役につくことでも入党することができる。

無事に勤め上げて除隊になれば、労働党への入党も保証される。大学進学を希望する場合も、人民軍の出身者は一般大学にしか行けないが、突撃隊の出身者なら金日成総合大学や、軍の高級将校を養成する金星政治軍事大学(現・金正日政治軍事大学)に入学できるのだ。入隊の競争率は高いが、父は革命烈士だし、鉄道専門大学の出身である。社労青の教養指導員をしていた経歴もある。(白、前掲書)

北朝鮮では兵役を勤め上げないものは朝鮮労働党に入れない。労働党員でないということは、北朝鮮では労働党員のために働く奴隷、ものいう道具であることを意味する。(チュ・ソンイル『北朝鮮人民軍 生き地獄の兵営』金龍森訳)

ところが、兵役を勤め上げても入党できないケースもあるという。

労働党に入党するのは容易ではない。十三年間軍に勤務をしても入党できない場合も多いのが現実だ。(同書)

入党条件のほかに、労働党員として好ましいとされる者の特徴や傾向もあるようだ。

ほかのあらゆる北朝鮮の組織と同じく病院にも党の書記局があり、その任務は職員たちが健全な思想を保持するように努めることと、職員の中から党員候補を選び出すことだった。
その病院では四人の医師から一人しか入党が許されないという制限があったが、金医師が選出されるのは至極当然と思われていた。一つには、女性の大半は酒を飲まず規則をきっちり守るので、女性の方が党員として好まれる傾向にあったこと。そして金医師の規律正しさとやや四角四面なところが、将来の党員としてはぴったりだったこと。(デミック、前掲書)