祝賀行事への参加は義務

四月十五日は金日成の誕生日であり、「太陽節」と呼ばれている。この日に祝賀行事が催される。

この日、都市も村落も国旗を掲揚し、通りに広場に、建物の正面に、「祝日四・一五」「わが党と人民の敬愛すべき首領様、金日成同志万歳!」「偉大なる首領様の長寿無疆を祈念しよう」と書かれた大きな立て看板や垂れ幕が設置される。 この日、国中に建てられた金日成の銅像に供えられる花は数えきれない。平壌では大通りに沿って設けられたコンクリート製の巨大なお椀型の花壇に生け花が植え込まれる。一九九〇年、七十八歳の誕生日の時だけでも首都の七百か所以上に生け花が飾られていた。(アレクサンドル・ジェービン『私が見た金王朝』川合渙一訳)

この行事では金日成の銅像にお供え物をするのが恒例である。

四月十四、十五の両日、夜を徹して平壌の中心部、万寿台に聳える三十メートルの銅像を目指して人の流れが絶えない。銅像の足元には生け花を盛ったいく百の籠や鉢、いく千もの花束が供えられる。ここにはまたレモンやみかんなど、熟した果実のなるエキゾチックな果樹の枝を桶に入れ、「忠誠の贈り物」として届けられる。籠に結んだ赤いリボンには、朝鮮民主主義人民共和国指導者の「健康と長寿を祈念する」朝鮮労働党中央委員会、国家権力の中央機関、社会団体、企業所、施設、革命烈士家族などの文字が見える。 一九八七年、金日成七十五歳誕生日の祝賀行事の後、銅像の下での儀式に変更が加えられ、公式的色合いが少なくなった。 少なくとも近年は党中央委員会、中央人民委員会、政務院からの献花はなくなった。主な政治局員や中央委員会書記らの家族の献花に代わったようだ。(同書)

国内の政府高官だけでなく、外国の政府関係者も参加するこの祝賀祭はどの程度の規模なのか。

「労働新聞」によれば、一九八二年から一九八七年までの五年間に万景台を訪れた外国の元首、政府首脳は七十人、五大陸五十か国以上から二万五千人以上の代表団が訪れている。 一九八九年だけで外国人三万二千人をふくむ二百万人以上。一九八二年には金日成の七十歳を記念して平壌に主体思想塔が建立され、この凱旋門の見物に一千万人以上が、つまりこの国の人口の約半数と外国人十三万四千人余人が訪れている。(『同書』)

祝賀祭への参加は義務であり、住民は負担を強いられている。

万景台をはじめ、「革命栄光の地」を訪れることは北朝鮮住民の義務であり、このためにかなり多くの時間が費やされるが、これが国費で賄われると考えてはならない。年間わずか十二日の有給休暇を割いてでも、聖地を拝めるのは、この国の人民にとって「最高の名誉」なのである。(『同書』)
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